個人の方が飲食店の開業前に悩むであろうポイントの一つが「売上予測」だと思います。この売上予測がどれだけ正確にできるかが、事業成功の分かれ道になるぐらいとても大切な事だと僕は考えます。飲食店の事業計画はこの売上予測によって、借りるテナントの家賃設定も分かりますし、利益がどれくらい残るかも分かるからです。また、銀行などから融資を受ける場合もこの根拠がどれだけしっかりしているかが重要になります。
よく市場規模を考える方法などありますが、小さな個人の飲食店の場合、僕はそこまで気にしなくて良いと思います。1日20人で成り立つような事業であればそもそも大きな市場は必要ありません。よほど山の中で人口100人の村とかそういうレベルでなければ達成できるからです。
飲食店の売上予測は近隣の市場調査でわかる
さて今回紹介する方法は超アナログです。徹底的に競合店の調査を行う方法です。これは労力がかかりますが、何よりも具体的な指標となるのでぜひ試してみて下さい。
ステップ① 調査対象店舗を3~5店舗決定する
まずは自分が開業したいお店に、より近い業態の飲食店を地域の中から3~5店舗リストアップします。出店場所の候補地からできるだけ近いお店がより参考になるので、あまり遠いお店は選ばないようにして下さい。
ステップ② 調査対象店舗の情報を調べる
調べる項目としては「主要メニューの特徴と値段設定」「地図上の位置」「創業から何年経過しているか」「ホームページやSNSの有無」などです。
・主要メニューの特徴と値段設定
そのままですが、例えばラーメン屋さんの場合、醤油ラーメン800円、味噌ラーメン900円みたいな形で、どんな具材が乗っているかなど写真と金額のリストが作れれば最高です。
・地図上の位置
これは場所を調べるというより、道路の交通量、近隣に大きな工場や学校がないか、駅からのアクセス、駐車場の台数、駐車場の停めやすさなどです。近くても駅前の通りと一本裏に入った通りでは集客も大きく変わるでしょう。また周辺エリアのマーケティングはとても重要です。
・創業から何年経過しているか
これはどんな意味で調べたいかというと、半分は認知度的な意味合いです。この認知度の話しもちゃんとしておきたいです。味や値段は普通。でもお客さんの入っているお店ってありますよね。このパターンは大抵、地域での認知度が高い傾向にあると僕は考えています。そもそも外食をする時、皆さんは味と価格だけでお店を決めていますか?家族でどこに行くか議論して決める事もあれば、近いからという理由だけで行く事もあります。駐車場は止めやすいかたという理由だけで行く事も。認知度0から始まる新規のお店にとって、認知度が高い飲食店の売上はあまり参考にならない場合があるからです。
・ホームページやSNSの有無、GoogleMapsの状況
こちらも通常の市場調査だけで判定できない場合があるので調べておきたいです。ホームページを持っているか、また、持っている場合、検索上位に入っているかなどを調べます。続いてSNSです。たまにSNSに力を入れまくっていて、フォロワーがものすごいたくさんいるので、そこで集客ができているパターンもあります。そうなると地図上方の集客とは違った動きが発生するので、調べておきましょう。GoogleMapsも同様です。上位表示されているか、情報がちゃんと載っているか、口コミの件数と評価点などですね。特に昔から住んでいる地元住民ではなく、入れ替わりの激しい大学の近くなどアパートなど集合住宅の多い地域はGoogleMapsやSNS影響は特に受けやすいと思います。
ステップ② 調査対象店舗に行って客数を数える
ここからが最も大変な作業になりますが、最も重要です。実際に調査店舗へ行って席数と客数を調べて下さい。席数に関してですが、あなたのお店は10席の小さなお店なのに、調査したお店の席数は50席あったとすると、調査した結果をそのまま売上根拠にする事が難しいからです。客数に関しては、できるだけ沢山調べられればベストですが、平日ランチ、平日ディナー、土日ランチ、土日ディナーの計4回は最低でも行ってください。できればそれを2,3セットやれればより具体的なそのお店の客数がわかります。これを3~5店舗やるわけですから、大変な作業です。
ステップ③ 調査内容を元に具体的な売上根拠を立ててみよう
ここまできたら「具体的な根拠」が出来上がってきます。これは銀行融資などを受ける際にめちゃくちゃ重要な根拠になります。残念ながら銀行にくる多くの人は「希望的な根拠」で収支計画を作っています。銀行側は「無理のない計画」かをとても重要視しています。そこに関してはまた別の機会に触れたいと思います。
- A店 席数 20席 平日来客数 40人/日 土日来客数 60人/日 ラーメン900円
- B店 席数 25席 平日来客数 35人/日 土日来客数 70人/日 ラーメン1000円
- C店 席数 30席 平日来客数 50人/日 土日来客数 60人/日 ラーメン 850円
こんな感じのデータになったとします。例えば平日30人、土日は50人で客単価800円の売上根拠をつくります。この数値でも問題なく営業していける事業計画ができれば失敗する確率が大幅に下がる事は想像できますよね。もっと低い数値で成り立つ計算ができればなお良いです。
こういった計算をやらずに銀行へ行く人、これだけ根拠を揃えて銀行に行く人。これだけで成功率がめちゃくちゃ変わると思いませんか。ちなみに根拠を揃えずに銀行へ行く人は大体9割ぐらいだと聞いています。そりゃ飲食店の閉店率が高くなるわけだ…
コメント